温泉熱利用

温浴施設の健全な経営の為に、熱源計画は重要な要素の一つとなります

温泉の温度が高い場合、その熱の利用先にはいろいろなものがあります。温度が高くその量も多い場合は、熱の有効利用先を検討してみてはいかがでしょうか?

温泉熱の利用例

  1. 給湯への熱利用
  2. 施設の冷暖房への利用(温度が高い場合でも冷房への利用も可能です)
  3. 融雪・床暖への利用
  4. 魚介類養殖への利用
  5. ビニールハウス内の空調熱源・土中の温度管理etc

 給湯への温泉熱利用の一例

 

<温泉温度が80℃で50L/minある場合>

温泉の利用先が浴槽である場合、浴槽に必要な温度は約42℃です。(80-42)℃の温度は不要なものです。これを給湯に100%移行させると、(80-42)℃×50L/min×60分=114,000kcal/h(132.5kw/h)のボイラー1台分のエネルギーに相当します。これを有効に活用せず、上水で温度を下げて利用していますと、このエネルギー+上水代金+下水道代金がランニングコストとして発生し不要な費用がかかってしまいます。

では、どれくらいな損失となるか簡単に計算してみましょう。

<上記条件で、300日10時間営業し、浴槽を掛け流しで行った場合>

灯油換算量では、114,000kcal/h×10時間×300日÷8,216kcal/h(発熱量)=41,626L/年

灯油代金が70円/Lなら その金額は年間 2,913,820円となります。熱利用をせずに加水して適温にして浴槽へ供給している場合、これに上水+下水代金が上乗せされる訳ですから大変無駄な費用が発生してしまうことになります。

余剰熱を有効に活用すれば、地球温暖化防止に貢献することはもとより、施設の健全経営にもつながります。これらのシステムを導入するに当たり、国の助成制度もいろいろありますので活用されることをお勧めいたします。

※1 ここでは、分かりやすいように単純要素にて計算しています。実際に検討する場合は、熱伝達の問題、給湯使用量の問題、浴槽の環境、ボイラー効率等を考慮しなければなりません。しかしながら、このシステムを導入するとしないとでは、大きな差が生じる事は言うまでもありません。

温泉の余剰熱を100%給湯に利用することは難しいことです。熱利用する設備にかかるイニシャルコストと削減できるランニングコストのバランスをみながらシステムを構築することが大切です。

温浴施設から生まれる特殊な熱

温浴施設(温泉に限らず)の何処でも見捨てられやすいエネルギーに排水があります。

排水には約32℃~35℃の温度があります。これを熱源としてヒートポンプの力を利用すれば、55℃程度の給湯を作ることも可能です。俗にいう水熱源ヒートポンプシステムです。

ここに紹介したシステムは、ほんの一例にしかすぎません。温度が低くても水量が多ければ熱源として十分に利用可能です。熱源となる条件や用途によって、いろいろなシステムを構築できます。

いずれの方法を採用するにしても、投資コストとメリットを十分に検討することが重要です。